現代社会において、不登校はますます深刻な問題になっています。
多くの場合、親の行動が不登校の発生に影響を及ぼしていることが分かっています。
親は、子供へのサポートやコミュニケーションが不可欠です。
でも、正しいサポートがない場合、子供は学校教育から離れ、有意義な教育を受けられなくなる可能性もあります。
私は通信制高校の職員として、多くの不登校の子どもをかかえる親と接してきましたが、不登校の家庭には同じような共通点がありました。
この記事では、子供が学校に行かなくなる親の特徴について解説します。
そして、不登校を克服した中高生を多く見てきた私なりに、これからできる親の対応についてお伝えします。
不登校の子供を持つ親の特徴
通信制高校では、入学前に相談会があります。
その際に多くの不登校生や保護者と面談をしてきましたが、不登校の子供を持つ親には、特に3つの特徴を持っていることが多かったです。
コミュニケーション不足
不登校を防ぐには、保護者の協力が不可欠です。
保護者は、自分の息子や娘が生産的で成功した学業生活を送るための基調を作るという重要な役割を担っているのです。
保護者は、子供の学業の進歩の監視に積極的に関与し、定期的に子供の教育状況を確認する必要があります。
また、保護者は子供と明確で直接的なコミュニケーションを保ち、学校に対する期待を一貫して表明し、子供が効果的に学習し成長できるような環境を積極的に提供することが必要です。
それができていないことで不登校につながることが大いにありました。
教育への意欲不足
保護者が子どもの教育に関与し続けることができなければ、子どもは授業に遅れをとり、学業に興味を失い、教育から切り離されたと感じることはありません。
親は率先して子供の教育に積極的に関与し、息子や娘が課題をこなし、授業についていけるよう支援しなければいけません。
ただ、保護者に教育への興味がないとサポートは困難です。
分からない部分は学校で聞けばいいとそのような親はいいますが、それが聞けないから子供は悩んでいるのです。
経済力の不足
親が安定した仕事を持っていない場合、経済的な困難が生じ、それが子供に伝わります。
通常大人に割り当てられるはずの仕事や役割を担うために、子供が補てんするように学校を休み、お金のために働く家庭も見たことがありましたが、それでは学校には行かなくなります。
親が子供に必要な資源を与えることができない場合も、教育的発達だけでなく精神的な心境にも影響を与える可能性があります。
ここでは経済力と表現をしていますが、なにも高収入の家庭に経済力があると言っているわけではありません。
適切に、的確にお金を使っているかが重要です。
私も何度か不登校生のご家庭に家庭訪問に行ったことがありますが、お金の掛けどころがズレていると感じる家庭が多かったです。
不登校生へ今からできる親の対応
もし子供の不登校の問題を抱える親が、今からどんな対応ができるかと考えたら。全ては興味をもつことです。
子供に興味を持つ
調査によると、児童から大人への移行を容易にするため、子供は良い結果を得るために親の反応を気にして生きてきました。
赤ちゃんから保育園に入るまでは、立つこと、歩くこと、話すこと、一つ一つが喜びで次は何ができるかとワクワクしていた保護者も多いのではないでしょうか。
小学生から中高生になるとだんだん手が離れ、親は子供の教育や指導を学校に任せることが増えていきます。
特に学業成績に対して甘い態度や期待を持っていると、それが崩れた時に子供は登校意欲に大きな影響を与える可能性があります。
学習面を見るというわけではありません。いま子供が好きなこと、嫌いなこと、できること、やりたくないことに興味を持つ必要があります。
学校に興味を持つ
一度学校への不信感を募らせると、子供だけでなく親も学校に対し否定的な考えになります。
もちろん教師も人なので、合う合わないはあるかと思います。
でも、その先生ひとりが全てではありません。
担任以外、スクールカウンセラーなど、学校に関わる人との有意義な関係を育むこと、子どもの学習を支援する行事や公演にも、否定的にならず参加すること。
親が学校に対して否定的だと子供も、自分も行かなくていいやという気持ちになってしまいます。
ぜひ、興味を持って学校と関わってみてください。
自分も不登校につながりやすい親予備軍だった
不登校の親の気持ちなんてわからないだろう、と思われるかもしれませんが、私も一児の父で、いまは小学生の子供がいます。
まだ小さいながら、幼稚園や小学校に行きたくないという時期があり、それを乗り越えてきました。
ここまでたいそうなことを言ってきましたが、私も子供への対応で数々の失敗をしてきました。ここでは2つ取り上げます。
何でもやってあげていた
私は子供が好きなので、子供のやっていることに興味はありました。
ただ、興味がありすぎるのも問題。
まだ小さいから、まだ子供だからといってなんでもこちらが提供している時期がありました。
幼稚園、小学校でもその時期に応じて乗り越えていく小さなハードルがあります。
時に親が手を差し伸べる必要がありますが、全てをやってしまうと子供の成長はありません。
そのさじ加減が難しいのですが、子供が小学生の時に気づけて良かったと思います。
自己肯定感を下げる
一方、クラスの子ができて自分の子供ができていないことに子供以上に悔しい思いをしていたのも自分です。
「なんでできないんだ」「同級生のあの子はできているんだよ」と、子供には競争心を芽生えてほしいと思っていたのですが、それが子供の肯定感を傷つけていたことがわかりました。
他の子供と比べ算数が苦手だと感じた私は、何度も算数の課題に集中させていました。
すると、子供は「自分は算数が苦手なんだ」と思い込むようになってしまいました。
結果、克服してほしい自分の気持ちが子供の自己肯定感を下げてしまっていたのです。
これは本当に反省すべきところでした。
まとめ
以上をまとめます。
- 不登校が親のせいである理由は3つの不足
- 今からできる対応は興味を持つこと
- 自己肯定感は下げてはいけない
不登校の原因全てが親のせいではありません。
そして、今が不登校だからといってずっと不登校、社会に出ていくことが困難というわけでもありません。
それが言えるのは、私が通信制高校で多くの不登校生が笑顔で登校し、希望に満ちた顔で卒業していっていたから。
本人も親も、変われるチャンスはいくらでもあります。
むしろ、中学校から高校であったり、高校を辞めて転校するという時が子供も親も変わる大きなきっかけだったりします。
特に通信制高校は全日制高校よりも、同じような不登校の悩みを抱えている保護者からの相談が多いので、第三者への相談として見学に行ってみるのもよいでしょう。
通信制高校の学校説明会については、こちらの記事も参考にしていただけると、より実りのある相談ができます。