当サイトでは、『通信制高校とは』ついて詳しく解説をしています。
通信制高校とは、通信教育で卒業する高等学校のことです。
子供の進路先として選択する方も増えています。
通信制高校としての歴史は古くからありますが今は多様化し全国に県立・私立を含め多くの数があるため、通信制高校の仕組みを理解するのは難しいです。
私は8年間かけ『通信制高校とは』について説明会や相談会でお伝えしてきました。
そこで、当サイトでは、私がこれまで体験入学などでも説明してきた通信制高校の仕組みについてお伝えします。
通信制高校とは?
通信制高校ってどんな感じ?
これからお伝えする内容を見れば、通信制高校の仕組みをすべて理解することができます。
ぜひ、ゆっくりと安心してご覧ください。
そもそも通信制高校とは
そもそも通信制高校にはどんな学校の特徴があるのでしょうか。
高校というだけあり、卒業するためには単位修得が必要です。
また、通信制高校にはメリット・デメリットもあるので正しく理解する事が必要です。
学校の特徴
文科省によると、通信制高校とは次のような特徴をもった高等学校です。
制度の概要
高等学校の定時制・通信制課程は、学校教育法制定時(昭和23年)から設けられている制度で、創設の趣旨としては、
・ 通信制の課程: 全日制・定時制の高校に通学することができない青少年に対して、通信の方法により高校教育を受ける機会を与える。
こととされています。
近年においては、従来からの勤労青少年に加えて、全日制課程からの転・編入学する方や過去に高校教育を受けることができなかった方など多様な入学動機や学習歴を持つ方が増えてきています。
現在の通信制高校の設置状況として特に私立は年々増加傾向にあります。
少子化といわれる日本の中で、学校としては珍しく閉校も少なく進学する割合が年々増加しています。
区 分 | 公 立 | 私 立 | 合 計 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
学校数 | 生徒数 | 学校数 | 生徒数 | 学校数 | 生徒数 | |
平成17年度 | 76 | 93,770 | 99 | 89,748 | 175 | 183,518 |
平成18年度 | 75 | 91,361 | 110 | 91,156 | 185 | 182,517 |
(引用:文科省 定時制・通信制課程について)
年度 | 生徒推移 |
2015年度 | 18,0393名 |
2016年度 | 18,1031名 |
2017年度 | 182,515名 |
2018年度 | 186,502名 |
(引用:文科省調べ)
さらに全国の通信制高校生の推移を見ると、通信制高校を選択している生徒は年々増加しています。
約20人に1人は通信制高校に入学しているというペースになります。
卒業には単位修得が必須要件
通信制高校は単位制高校がほとんどで、卒業するためには『単位修得』が必須条件です。
単位制高校と比較されるのが全日制高校のほとんどが採用している学年制高校です。
単位制高校は3年間の在籍期間と74単位が必要です。
在籍期間はイメージできるけど、単位はどうやって修得していくのでしょうか。
卒業するための単位修得については、次の3つをクリアする必要があります。
- レポート
- スクーリング
- 試験
このレポート・スクーリング・試験を通して卒業に必要な単位を修得していきます。
最終的に3年間で74単位以上を修得すれば、高校の卒業要件をクリアしたことになります。
メリット・デメリット
通信制高校に最も向いている人は、校則に縛られず自分のペースで勉強ができる環境で高校卒業を目指したい人です。
原則は在宅での学習なので通学費用や制服などが必要ないため費用が安く、アルバイトなど働きながら通えるのメリットがあります。
特に最近では、学力不振やいじめによる不登校で学校の環境になじむことが難しくなった生徒のニーズが増えています。
通信制高校によって自分のペースで学習し高校卒業を可能にしています。
ただ原則が在宅での学習のため、自発的に学習するという意欲がないと勉強できず通信制高校に入学しても続かない生徒もいます。
自分のペースという自由度が高い分、自己管理をする力や親や周りのサポートがないと続かないというデメリットもあります。
サポート校とは通信制高校に在籍している生徒のレポートの解き方などを補助してくれる教育施設のことです。
自宅学習ではわからない勉強部分の支援をしてもらえるため、自発的な学習意欲も高まり自己管理部分をサポートしてもらえるため卒業できる割合を伸ばしてくれます。
なお、サポート校は学校基本法の定める『学校』ではありません。
設置に関する法的基準がないため、サポート校によって生徒への支援内容は異なります。
『設置の法的基準がない』と聞くと不安に思われるかもしれません。
しかし、基準がない分通学スタイルの自由化や不登校に寄り添った生徒の学力補助が行なえます。
大学受験に沿った予備校並みの授業などバラエティに富んだカリキュラムが組めるという特徴もあります。
特に学校には通うのが難しいけど、一人で管理することが難しい生徒におすすめです。
通信制高校へ入学するには
仕組みを理解して上で入学先として通信制高校を選択したい場合、進学・転入学・編入学とそれぞれ条件が違います。
ここでは通信制高校へ入学するにはどうしたら良いか、詳しく説明していきます。
入学条件を確認しよう
まず通信制高校の入学条件として原則年齢制限はありません。
ほとんどの通信制高校の募集要項には『中学校またはこれに準ずる学校を卒業した人・それと同等以上の学力があると認められた人であれば入学可能』と書かれています。
公立(県立)の通信制高校などでは15歳から70歳を超える人まで幅広い年齢層の人が入学、再入学しにニュースになったりしています。
ただ実態としては生徒の平均年齢は19歳で、主に中学卒業と同時に入学から高校からの転編入生がほとんどです。
また、通信制高校は広域制・狭域制があるためその学校によって生徒を募集している区域が異なります。
入学を検討する前に、あなたがこの通信制高校に入学できるのかを必ず学校の入学相談窓口に相談しましょう。
すでに高校卒業資格を持っている人は通信制高校の入学はできません。
ただし、前述したとおりサポート校については学校教育法が定める『学校』ではないため、入ることができるという理論になります。
しかし、高卒資格を取得したい生徒と目標が違うため、現実的には専門学校や学習塾などの入学を進めるケースが多いです。
中学3年生から入学する場合
中学から進学先として通信制高校に入学することはできます。
これまでの通信制高校の歴史で言えば社会人や転入や編入の学習場所。
というイメージが強かったのですが、近年では中学から進学先として通信制高校を選択するケースが増加傾向にあります。
当然ですが募集要項の『中学校またはこれに準ずる学校を卒業した人』には当てはまりますし、義務教育のため不登校の経験があっても中学校は卒業することが可能です。
転入と編入は違うので要注意
高校に在学中の人が他の学校に替わることを「転入」といいます。
小学校や中学校でいえば、引っ越ししたから今の学校では通学が遠いから「転校する」というイメージです。
転入の良いところは、在学している高校の在籍期間と学習してきた単位を継続できるところです。
高校を退学してから他の学校に再度入学することを「編入」と言います。
編入の場合、退学した時期によって注意が必要な場合があります。
例えば、2年生、3年生の年度末(3月)で退学した場合については、前籍校に通っていた単位と在籍期間を引き継ぐことができ、1年生からやり直す必要がありません。
しかし、年度の途中で辞めてしまった場合についてはそれまで学んできた単位が未修得となり、再度同学年をやり直しの可能性があります。
通信制高校の中には後期入学といって10月入学できる学校もありますが、当然卒業時期も9月になるので注意しましょう。
通信制高校の選び方に資料請求は必須!学校説明会も要参加
資料請求して比較検討は必須
通信制高校を選ぶ上で学校の資料請求は欠かせません。
学校の資料の中には学校の特色がわかるパンフレットだけでなく、募集要項、入試の案内、気になる学費について書かれた資料が同封されています。
年度の変わりや時期によっては古い情報の募集要項になっており、最悪の場合もういちど願書の書き直し…
なんてこともありうるので、資料が手元にある場合も念の為最新の資料請求をした方が良いです。
学校説明会に参加し雰囲気を目で確かめる
また、パンフレットだけでは学校の雰囲気はすべて伝わらないので学校説明会に親子で参加しましょう。
正直パンフレットは「学校を選んでもらうためだけに作られる冊子」なので、多少誇張した表現をされています。
先生はどんな人なのか、どんな授業をしているのか、同級生の雰囲気はなど、気になることは直接行かないと絶対にわかりません。
親の目線でいえば気になる学費も学校説明会で聞くことができます。
こちらも募集要項での記載はありますが、サポート校の学費や行事や通学定期についてなど、細かな点を確認するためには必ず行きましょう。
説明会にはいくつか種類があるのでそれぞれ興味があるものに参加するのが良いです。
学校説明会
学校説明会は、通信制高校の仕組みを中心に単位の修得方法、学校の特徴を説明してもらえます。
その後、教室見学や個別の相談を行える場合が多い。
個別相談会
個別相談会はあなたやお子様のケースに沿って進路についてじっくり相談ができます。
学校生活や進路に関する疑問を解決することができます。
学習障害や子供の進学で不安なことが多い場合は個別でゆっくり相談がおすすめです。
体験入学
体験入学は実際に行われている授業を一コマ分体験することができます。
特別なコースがある学校では実際の授業を体験できたりお菓子作りなどを在学生と一緒に参加できます。
在校生の雰囲気を知ることができるため、子供としては雰囲気がつかめるので親子での参加が必須です。
合同学校説明会
合同説明会はホールなどの会場内に複数の通信制高校ブースがあり、説明を聞いたり相談ができます。
1日で沢山の学校情報を得られるのがメリットです。
専門家による不登校のセミナーやスクールカウンセラーの相談ブースもあります。
情報収集のため親向けでもあります。
通信制高校卒業後の進路は進学・就職と多彩
通信制高校から大学進学はできるのか?
高卒資格取っても通信から就職はできない?
といった、親にとっては卒業後の進路については不安も多く質問されてきました。
まず進学についてですが、通信制高校卒が大学進学に不利となることはありません。
そもそもセンター試験については学歴とは全く関係がなく、1次試験と2次試験の結果が全てなのでどこの学校からでも同条件です。
各学校には指定校推薦の枠をもっている学校もあるため、通信制高校への転校を転機に志望校に進学することが有利にすらできる可能性もあります。
また、就職については昨今の人材不足の環境もあり、就職できる可能性はあります。
ただ、まだ通信制高校にこれほど在校生がいることを企業側が知らないのが現状です。
これからは、企業の人事担当者も人材確保のために通信制高校へのアプローチが増えてくることは間違いありません。
ただ、通信制高校だけでなく多くの高校生に言えることですが、自分の進路に対しては自分で決めることが難しい子供はまだ多いです。
全日制高校であれば定期的にガイダンスなど、進路に対して3年間で固めていくプログラムが整っています。
一方通信制高校は、「高卒」取得がメインなため、進路に対しての取り組みはまだ発展途上という課題があります。
通信制高校に限らず進路は不安なことがいっぱい。
以下のページでは通信制高校の進路先のリアルについて後悔していますのでぜひご覧下さい。
通信制高校Q&A:学校への疑問・不安・悩み
通信制高校に対する疑問や不安、悩みは誰しもが必ず持つはずです。
それは、まだ知られていない部分や新たな仕組みがあったりするので、疑問がないわけがありません。
不登校の子供でも入学できるか?
これまで多くの家族から相談を受け最も多かったのが不登校生でも学校に入れるか、そして卒業できるかという質問です。
まず、結論から言えば不登校だからというだけの理由で通信制高校に入学できないということはありません。
つまり入学に関して心配することはありません。
ちゃんと卒業できるか?
入学以上に卒業については注意が必要です。
前述の通り通信制高校には卒業要件として3年間の在籍と74単位の修得が必須です。
3年間で習得できなければ、4年、5年と在学期間は伸びていきます。
また、単位を習得するためにはレポート、スクーリング、試験があるためそのどれもが抜けてしまえば卒業できません。
つまり、学習する意欲やスクーリングに参加する意欲が全くないと卒業ができません。
従って、入学時にもその意思確認をするため、学習意欲やスクーリング参加不可の生徒については入学しても卒業はできないので不合格になる可能性があります。
学校にいじめはないのか?
いじめの質問を受けたとき、私は必ず「いじめのない学校はない」と答えていました。
大なり小なりいじめが全くない学校があるのなら、それは学校側が認めていないだけであり非現実的だと私は考えています。
ただし、全日制の高校と比較して通信制高校はいじめは少ない、いじめが起きにくい環境です。
いじめが起きにくい理由としては、これまでの学校生活の中でいじめが原因で高校に行けなくなった生徒が入学、転校してくるため『いじめられる側の気持ちが分かる』生徒が多いからです。
また、通信制高校の中にはカウンセラーを置きメンタルケアに強い環境があるため、いじめなど問題の早期解決に努めています。
高校卒業と高卒認定の違いは?
最も簡単に言えば高校卒業は『高等学校卒業資格』がもらえ高卒になり、高卒認定は資格はもらえないためその時点での学歴は中卒になります。
高卒認定試験は高校卒業時の学力であるという認定試験で合格すれば『大学などを受験できる資格』が得れるというものです。
もちろん大学に入学し卒業すれば最終学歴は大卒になります。
そもそも高卒認定試験は進学が目的となるため、大学などに進むという明確な目的がなければ通信制高校に入学し高卒を目指すほうが良いです。
入試方法ってどんなことをするの?
通信制高校のほとんどは、書類(願書・調査書)での審査と試験(面接・作文・筆記)を行っています。
筆記試験がある学校も中にはありますが、原則、通信制高校の入試は落とすための試験ではないというのが特徴です。
提出したい書類を元に面接で詳しく内容を聞く、という方法が一般的です。
中学からの進学や高校からの転入の場合は保護者として生徒の親にも面接に参加してもらい普段の子供の様子や学校に求めるものなどをヒアリングします。
特に親に関しては通信制高校の仕組みがしっかり理解できているかを確認することで、入学後のトラブルにならないようにしています。
入試の合格率などは非常に高いですが、試験に落ちる人は前段でもお伝えした通り学習意欲、スクーリング参加の不可など単位修得の見込みがない生徒は合格が難しいです。
もしも学校を辞めたいと思っていたら
もし、いまあなたが高校に行きたくない、学校を辞めたいと思っていたら、「通信制高校へ転入」しませんか?
高卒資格は社会に出ていくステップとしてまだ現代社会のなかでは必要です。
だからこそ、先生は学校に来なさい、親は学校に行きなさいと言いますが、あなたが抱えている悩みや辛い原因が学校にあれば行きたくないのは当たり前です。
高校生という多感な時期は白か黒しかない…だから学校が辛いから退学という結論に至ってしまいがちなのです。
しかし、あなたが本当に楽しめる学校が他にあったら。
あなたがここなら通えるという雰囲気の学校だったら。
自分のペースで卒業を目指せる学校だったら。
あなたはまた学校に向けて前向きになれるはずです。
そんな多様な生徒の学習を進めることができるのが通信制高校・サポート校です。
高校生を辞めるのではなく、学校を辞め別の学校へ転校し高校卒業を目指す「転入」はきっと後悔しない選択肢になります。
通信制高校とは|まとめ
当記事では『通信制高校とは』について対局をお伝えさせていただきました。
私はこれまで学校説明会や個別相談でこれらについてお伝えし、8年間で1520名の通信制高校への入学をサポートしてきました。
それくらい、通信制高校について悩むあなたに対して完全網羅している内容です。
通信制高校への進学を検討されている方だけでなく、ふと、通信制ってどんな感じ?
と思い当記事に書かれていることをぜひご参考下さい。
通信制へ進学する、今の学校から転入するというのは非常に時間、体力、精神力、お金もかかります。
しかし、今の苦しく悩んでいる環境を変えられることで、子供が変われると私は確信しています。
なぜなら、本当に多くの進学者を目の当たりにし、多くの卒業生をこの目で見てきたからです。
また、私のこれまでの経験から通信制高校についての細かい仕組みについてや、入学前の不安も当サイトには揃っています。
どの記事も経験から語っているものばかりなのでぜひ参考にしてご活用ください。