あっという間の3年間だったという子もいたり、長く苦しい3年間だったという子もいるのが高校生活。
笑顔で卒業してくれれば良いのですが、全員が同じようにはいきません。
中には高1・高2・高3の途中で「学校に行きたくない」と子供から言われることもあるでしょう。
学校に行きたくないと言われたり、高校に行くのが辛かったりした場合、不登校になる可能性もあるため深刻です。
でも、在学期間の「学校に行きたくない」に効果的な解決策があったら、親も子供も安心できませんか。
私は通信制高校の転校相談窓口として、多くの親子と面談してきました。
その中で、学年別でも学校に行きたくない理由があることがわかりました。
今回は学年別の学校に行きたくない理由に対し、親として知っておきたいことをお伝えします。
学校に行きたくないときの解決策を知っておこう
- いまの学校に通い続ける
- いまの学校から変わる
- いまの学校をやめる
子供から学校に行きたくないと言われたら、驚きますよね。
落ち込んで、現実を受け入れられないかもしれませんが、親以上に子供のほうが苦しんでいます。
まずは、学校に行きたくないと言われたときの解決策を知っておきましょう。
いまの学校に通い続ける
学校に行きたくない場合、すぐに学校を辞める・転校するという決断をするのではなく、ちょっと休みましょう。
次のステップが定まるまでは、欠席もしくは休学という方法もあります。
休んだ中で学校に行きたくない理由が分かったら、いまの学校で卒業したい場合は学校に相談しましょう。
学校も生徒に対し在籍してほしい、卒業してほしいと思っています。
高校卒業に必要な出席日数や単位の取り方など、分からないところを相談し進級や卒業できるラインを確認できれば、子供も親も安心です。
学校を辞めるリスクや転校で全てが新しい環境になり、落ち着かないというデメリットもあります。
顔見知りの先生や子供のことを分かってくれる仲間がいる同じ学校のほうが、相談しやすいというメリットもあります。
いまの学校から転校する
高校も、小学校や中学校と同様に本人の都合で転校できます。
学年が変わるタイミングなら、転入学試験を行っている全日制高校や定時制高校に入ることも可能です。
通信制高校なら学年が変わるタイミングの転校もしやすく、残りの在学期間と単位修得で高校卒業資格がもらえます。
高卒資格は取ってほしいという親の思いと、自分のペースで学べる通信制高校は子供の希望も叶えやすい環境の1つです。
いまの学校をやめる
どうしても学校に行きたくない場合、学校を辞めるという選択肢もあります。
高校を辞めてしまうと最終学歴は「中卒」になり、現代の日本では社会的に非常に不利です。
しかし、高等学校卒業程度認定試験(以下、高認)という制度があります。
高認に合格すると高校卒業しなくても、大学や専門学校の受験資格を取得できます。
高認を取って大学入試に合格し卒業すれば、最終学歴を大学にすることも可能です。
高校を中退し編入で別の高校に入学する方法もありますが、こちらは少し注意が必要です。
転校と編入は入学時期や卒業時期が大きく変わる可能性があります。
似ているようで違いますので、すぐに辞めてしまうことだけは避けましょう。
解決策を知らないと親はNG言動になる
なぜ親が解決策を知っておいたほうが良いかというと、解決策を知らないと子供にNG言動を連発してしまうからです。
学校に行きたくない子供には、かけてはいけない言動があります。
その理由をよく理解し、子供の心に寄り添う力を備えていきましょう。
理由を問いただす
子供が学校に行きたくないとなったとき、必ず「なぜ?」という理由を知りたくなります。
その理由をすぐに答えてくれる子供なら、一緒に解決策を考えていくことも容易です。
しかし、すぐに理由を教えてくれない場合は執拗に問いただしてはいけません。
親として、子供が留年や退学になるかもしれないという不安から早く理由を聞き解決したいという焦りもわかります。
でも、それが子供のストレスにつながっていることもあります。
もし休学や転校といった解決策が頭にあったら、問いただすことなくもう少し落ち着いて子供から理由を教えてくれるまで待つことができるでしょう。
頑張ってと励ます
学校に行きたくない子供に「頑張って」と励ましても、何の解決にもなりません。
子供なりに学校で頑張ってきた結果が行きたくないという黄色信号が出ている状態に対し、頑張れという言葉は具体的な解決策もなく子供にとってはストレスなだけです。
もし、子供が高校卒業はしたいけど学校に行きたくない状態であれば、一緒になって今の学校で卒業できる方法を導き出せるはずです。
転校して高卒資格が取れることを知っていれば、今の学校で何が何でも頑張れと無意味に言う必要もありません。
大丈夫となだめて学校に行かせる
学校に行きたくない子供にとって、根拠のない親からの「大丈夫」ほど悲しいものはありません。
子供の不安な気持ちに対し「大丈夫」といって包んであげることは心の安定につながります。
しかし、「大丈夫、だから行きなさい」という言動は自分のことを何も考えてくれていない親でしかありません。
子供の学校に行きたくないという言葉は、危険信号が点滅しているサインです。
決して楽観的にその言葉を流さず、しっかりと向き合ってあげましょう。
学年別で学校に行きたくないあるある
ここからは、高1高2高3の学年別でよくある学校に行きたくない理由について解説します。
どのケースも実際に私が転校相談で聞いたことがある内容。
なので、あなたの子供が抱えている問題に近いものがあるかもしれません。
高1で学校に行きたくないケース
高1の場合、ゴールデンウィーク明けや夏休み明けに学校に行けなくなったという相談をよく受けました。
特に高1は、4月から新しい環境になります。
初めての長期連休のゴールデンウィーク明けは、高校がはじまり最初に来る学校行きたくないピークです。
長い連休中に小中学校の仲間と会って自分だけ高校に馴染めていないと感じると、GW明けは学校に行くのが嫌になることだってあります。
約1ヵ月間の夏休み後も、学校に行く足取りが重いはずです。
またクラスメイトとうまく関われるのか、担任の先生に会うのが嫌。自分の居場所があるのか不安。
そのころになると周りの関係性も分かってきて、小中学校ではイケてるグループだったのに今はそんなグループに属していないと感じることもしばしば。
そんな理由で、連休後は学校に行きたくないと思う生徒はけっこういます。
高2で学校に行きたくないケース
高2で学校に行きたくない理由は、新学期前と新学期後が多いです。
高2になると、クラス替えで仲の良い友達と離れてしまう場合があります。
そこから、新しい人間関係がつくれなくて悩み学校に行きたくなくなってしまうことがあります。
新学期直前では進級できずに留年が決まり、周りは2年生なのに自分はまた1年生のやり直しが決定し学校に行きたくないとなる生徒もいます。
留年となれば人間関係で気を遣われることも多く、居づらいと感じてしまいます。
仲の良い子とクラスを離れて一番不安なのは、自分はクラスになじめないのに仲の良かったあの子がクラスになじめている時です。
自分はどうしたらいいのだろう…とネガティブになってしまうことです。
高3で学校に行きたくないケース
高3で学校に行きたくない理由としては、受験勉強に集中したいという生徒も多く存在します。
他の周りが全く受験モードではない、学校に通う時間すら勉強したいのにもったいなくて学校が休みたくでも休めず、受験勉強ができない・・・。
そんな理由でも、学校に行きたくない理由になるのが思春期の高校生の悩みです。
また、直前になって卒業できないから学校に行きたくないという相談もありました。
あと数ヶ月で高校卒業なのに、単位未修得で卒業できず留年が決まりそうで、学校をやめたいと思うのは自然です。
これまで頑張ってきたことが認められず、あと一年と言われたら気を落とすに決まっており、学校に行きたくないとなってもおかしくありません。
学校がつまらないから行きたくないケース
思春期の高校生です、何となくめんどくさくてつまらないから学校に行きたくないという理由のときもあるはずです。
つまらないから学校に行きたくない
親に話しても理解してもらえないといいますが、面倒という理由だけでは親からしても理解に苦しむ話です。
ネットでは『学校めんどくさいから辞めたい』という悩みに対し、
「別にいいんじゃない?」
「学費を親に返済すれば大丈夫」
「大切なのは自分の気持ち」
みたいな回答をよく見ますが、それは間違っています。
みな他人事ですし、辞めたあとのことについては言及していません。
まずは『めんどくさいと思う理由』を書き出してみましょう。
きっと、めんどくさい以外の理由がどこかから出てきます。
その気持ちを親と話し合ってみてください。
第一志望の学校ではなかった・滑り止めだった
高校は、すべての人が行きたいと思う学校にいけるわけではありません。
入試を経て志望校に落ちてしまい、第一希望でない高校へ進学する生徒もいます。
その学校でも楽しめれば良いのですが、第一希望への進学希望が非常に強い場合、今の自分への気力が出ず、学校が嫌いになる場合もあります。
なぜ、第一志望で行きたかったのかを家族で話し合ってください。
そして今通っている学校でかなえられないのはどの部分なのかを一緒に整理してみましょう。
理由がなく無気力
学校に行きたくない理由が無気力の場合もあります。
原因が分からず苦しいのは親だけではなく、本来は生徒本人なはずです。
無気力状態だと、どうしても怠惰に見えます。
親としては「なんとかしなくては」と苛立ちますが、本人の起伏とタイミングがマッチしないと悪循環に陥ります。
子供が無気力になる理由は必ずこれ、というものではありません。
これまでの相談では親の不仲、両親の離婚、信頼していた人の死(別れ)、挫折が原因のケースが多いです。
学校に行きたくないと思ってしまうとずるずると不登校になってしまい、引きこもってしまう可能性もあります。
家族として向き合う時間を作ること、子供がやる気が出ない理由を明かしてくれるようにすることが大切です。
これまで、高校の転校相談で無気力の生徒に携わったことがあります。
急にやる気になるタイミングがあったのですが、彼のタイミングと親のタイミングが微妙にずれ、また引きこもってしまうことがありました。
子供が変わるタイミングがあったときのために、準備をしておくことが大切です。
学校に行きたくない子供へ親が取るべき行動
子供が高校在学中に学校に行きたくないとなったとき、親が取るべき行動は登校への執着をしないことです。
子供への見守りや尊重こそ、子供が前を向いて次のステップに進めます。
学校を(期限付きで)休ませると楽になる
子供が学校へ行かなくなったら、不安や苛立ちを感じるでしょう。
進級に響くのではないか、勉強についていけなくなるのか。
子供の将来を思うと、焦りから学校へ行かせたくなる気持ちは十分分かります。
そんな時こそ「行きたくなければ休んでもいい」と肩の荷を下ろしてあげることも大切です。
例えば、高1の休み明けに学校に行きたくない場合、無理やり行かせるより学校を少しお休みし、外に出かけてみることも効果的です。
新しい発見やコミュニティーが見つかると、自分の居場所を発見する事ができます。
自分が好きなことが発見できれば、学校でも共通の話題ができるかもしれない。
誰かと仲良くなれるものを見つけられるかもしれません。
進級や卒業に必要な出席日数や単位への理解があれば、期限付きで学校を休んでリフレッシュできる環境を作ることも効果的です。
子供のやることを見守り尊重する
子供が学校に行きたくないと休んでしまったとき、どう接したらいいのか分からず腫れ物を触るような接し方ではなく、普段と変わらない対応が求められます。
いつも通りの挨拶や何気ない会話で、子供が安心できる環境を作ると安心できます。
子供は子供なりに、いまの自分を変える方法を探しています。
でも言える環境、相談できる環境がないように感じていたかもしれません。
進級ができず周りと卒業年度が変わることが苦で学校に行きたくないけど、転校にはお金がかかると思って言うことをためらっているケースも少なくありません。
現在高3で、あと少しと分かっていても受験に集中できず学校に行きたくないけど、親に心配かけたくないと思っていることもあります。
子供への見守りとリスペクトの気持ちがあれば、子供の本心を引き出すこともでき、一緒に解決していくこともできるでしょう。
やる気スイッチを見逃さない
子供のやる気のタイミングはいつか見当がつかないことが多く、そして一瞬であることが多いです。
親ができることは、そのやる気スイッチのタイミングにどれだけ準備できているか、それが重要です。
例えば、高卒資格を取得するために通信制高校も検討しておくなら、事前に資料請求をしておくと便利です。
特に進級直前の留年になりそうな時期や、卒業間近で学校に行きたくなく転校したいとなると、スケジュールがタイトになります。
数ある通信制高校の中から選択するには期間も短くなってしまうため、いくつかのパンフレットを一括請求しておくのも効果的です。
通信制高校のおすすめ資料請求サイトについては、別の記事で分かりやすく説明しています。併せてご覧ください。
結論
ここまでの内容をまとめます。
- 解決策を知っておく
- NG言動はやらない
- 子供と信頼関係を築く時期
子供が学校に行きたくないと言われたとき、解決策を知っているのと知らないのでは親の気持ちのゆとりが違います。
解決策を知らないときほど焦りからかNG言動を連発し子供との溝が深くなっていくので、そうなる前にしっかりと解決策をしっておきましょう。
それでも子供がもう辞めたいと言ってきた時のために、本気で学校が嫌になり高校を辞めたいときの対処法については別記事で解説しています。
こちらもぜひ一緒にご覧ください。