通信制高校に入学したら終了か?について通信制高校で元キャンパス長だった私が解説します。
通信制高校へ入学、転入すると「人生終わった」
とネガティブなイメージを持つ人がいます。
結論、私は通信制高校で1000名以上見届けましたが、通信制高校で人生終わりだったのはたったの0.2%。
そうは言っても通信制高校からは就職できないのじゃないか、社会人になって苦労するんじゃないか等々、進路などを不安に思っている人もいるはずです。
ここでは、悪いイメージを持たれている通信制高校の本質を解説することで、人生終了ではないことをお伝えします。
通信制高校へこれから進学予定の人や、現在通信制に通っている人もぜひご覧ください。
通信制高校を卒業して社会人になった人は多数
通新制高校からは就職ができない、または社会人になってから苦しむのでは?という不安から、通信制高校=人生終了と思っている人もいるのではないでしょうか。
実は、全日制高校と通信制高校の就職率はさほど変わりません。
「平成30年度 学校基本調査Ⅱ調査結果の概要」によると、全日制17.6%の就職率に対し通信制は19.6% 。
就職している割合が多いのが、通信制高校なのです。
データが現しているように、通信制高校を卒業した生徒の多くは専門学校や大学へ進学します。
通信制→専門・大学を経て就職している人も多く、社会人になる面接で通信に通っていたことが履歴書で不合格になるような妨げにもなりません。
通信制高校出身だから、進路が決まらず人生がダメになることはありません。
ただ、通信制高校には「高卒を目指したい」「フリーターをしながら夢を叶えたい」という生徒がいるのも事実。
進路が未決定という割合が多いのもその理由ですが、そういった理由も知らず進路が決まっていないから、社会に出ていないから人生終わっている奴だ。
通信制高校で人生ダメにならない理由
高卒資格
通信制高校は学校教育法の一条校です。
卒業に必要な単位を修得すれば、全日制高校と同じ高校卒業資格を取得できます。
かなり昔は履歴書などの経歴で、高校の横に「通信課程」と記載していましたが、今は書く必要はありません。
普通の高校と同じように書けるため、就職や進学に通信制高校だから不利になることはありません。
オンライン
「令和2年度の高等学校教育の現状について」によると、通信制高校の生徒数は197,696人。
定時制高校の生徒数を抜き全体の5.9%が通信制で、環境も変わってきています。
卒業に必要なレポート・スクーリング・試験の原則。
これは変わりませんが、スクーリング日数減やオンラインの導入でサポート体制も劇的に変化しています。
オンライン化が進む社会の中で、全日制高校以上にハイテク化された通信制高校の仕組みは、将来に役立つことは間違いありません。
こんな人は通信制校に入学してはだめ
これだけでも通信制高校に入学したら人生終わったと思う人は少ないと思うのですが、反対に入学してはダメな人。
それはどんな人かといえば、自己管理できない人です。
通信制高校の基礎は、自学自習。
そのため全日制高校より通学日数が少なく授業数も少ないため、自分で管理する力が試されます。
少し厳しい言い方をしますが…
通信制より全日制のほうが流れに乗ってしまえば担任のサポートを受けながら卒業ができるため楽とも言えます。
レポート提出、スクーリング授業への出席、卒業後の進路。
これらを自分で管理し決めていく力がない人は、通信制高校でついていけずダメになってしまう可能性があります。
高校やめたら人生終わり
「通信制高校で人生終わった」と同様に「高校やめたら人生終わり」と聞きますが、残念ながら半分は合っています。
なぜなら進学に関しても、就職に関しても、要件として要高卒資格となっているところが今の日本には多いのです。
高校を中退すると最終学歴は中卒になり、進学就職で不利な扱いを受けます。
就職しようとしても中卒では応募すらできない企業もあります。
就職できても「中卒」という理由だけで、待遇が全然違う企業があるのも事実です。
また、進学においても「高校卒業もしくは同等以上」となっている学校には受験すらできません。
いくら学歴社会ではないと言われている現在でも、進学先や就職先の足切りをくらってしまうのが現実です。
どんなに優秀な人物でも、どれだけスキルがあっても。
求められる履歴書に書けなければ、人生が終わったと感じてしまうこともあるでしょう。
それほど、高卒資格というものはまだ重要な資格ということを痛感しています。
通信制高校で人生終了なんてさせない
冒頭では、通信制高校で人生が終了した人は0.2%とお伝えしました。
私が通信制高校で働いていた約10年間、1000名以上の生徒で人生終了になった生徒が2名います。
【自殺】です。
1人は在学中に命を絶ってしまい、もう一人は卒業してから数年後、その訃報を聞きました。
自分だけでなく通信制高校で働いていた職員、先生、その子たちの友達。
みんながショックし、そして今でも癒えない傷のような気持ちでいます。
何が言いたいかというと、生きていれば人生終了なんてことは絶対にありません。
ただ、亡くなってしまえば残念ながらその人生は終わってしまうんです。
通信制高校で働く先生たちはみな、入学してくる生徒のことを思っています。
一人ひとりを思い気遣い、そしてこれまで経験できなかった高校生活の楽しみを作る為に必死です。
中学校時代の不登校経験や、高校生活での人間関係の悩みなどを共有しています。
全日制高校よりも人数が少ない分、温かい学校づくりをしているのが通信制高校だと私は強く思ってます。
本当に心の悲しみが消えませんが、人生を終わらせないためにサポートし続けたいです。
さいごに
私はこれまで、多くの通信制高校で学ぶ生徒と関ってきました。
卒業式の時「学校生活どうだった?」と聞いて、「ここ来て終わったわ」といった生徒はいませんでした。
それほど通信制高校は魅力ある学校のスタイルだと思っていますし、自己管理ができないと卒業が難しい一面もあります。
なので、目的なく入学すると人生終わったと感じてしまうかもしれません。
ちょっとだけ夢のような話をすると、通信制高校はスポーツ界や芸能人も多く輩出しています。
- 指原莉乃(クラーク記念国際高等学校)
- 広瀬すず(あずさ第一高等学校)
- 平野紫耀(飛鳥未来高等学校)
- 藤田ニコル(飛鳥未来高等学校)
- みちょぱ (N高等学校)
第一線で活躍されている人の中にも、通信制高校を経て活躍されている人がいる状況の中で、人生終わるわけがありません!
人生終了にしないためには、通信制高校が自分に合っているかをしっかりと見極めること。
そのためには、各通信制高校の特徴をしっかりと知ることです。
資料を請求すれば学校の魅力が分かるし、体験入学や学校説明会で学校の雰囲気をつかむことができます。
個性を重視しながら学習サポートから進路支援をしてくれる通信制高校で、人生を豊かにしていきましょう!