そんな通信制高校の学費の疑問に当ページはお答えします。
私が通信制高校の入学担当者として学校説明会で保護者の方から最も多い質問だったのが『学費』でした。
それもそのはず。
学費については各学校で違いがあるためわかりづらいのが正直なところです。
そこで、通信制高校の学費について解説していきます。
通信制高校の学費が高いのは私立サポート校への通学
結論を言えば、学費は私立の通信制高校でサポート校の通学コースを選択すると高くなります。
反対に、公立の通信制高校で自宅学習タイプを選択すれば、全日制高校よりも学費が安い場合があります。
ただ単に学費が安いから悪いというわけでも、学費が高いから良いというわけでもありません。
あなたがその学校で卒業できるイメージが自宅学習で可能なら公立の通信制高校。
もしくは、あなたの子供にとって学校の雰囲気が私立の学校に合っていると思えば、その学校を選択するべきです。
通信制高校の学費を公立・私立を比較してみる
入学金や諸費用は公立・私立で変わりなし
前述したとおり、通信制高校には公立高校・私立高校があります。
公立は各都道府県で都道府県が運営しています。
私立の通信制高校は原則学校法人が開設・運営しています。
中には2003年度に施行された構造改革特別区域法という法律に基づき株式会社が設立した学校もあります(いまはほとんどありません)
学費には大きく分けて次の3つに分類されます。
この中で入学金と諸費用に関しては公立、私立と比較してもそこまでかかりません。
私立の全日制高校よりも通信制高校のほうが入学金が安い学校が多いです。
通信制高校でかかる諸費用については、教材費、施設管理費、スクーリング費などがかかります。
授業料は受講する単位数で計算
通信制高校の授業料は1単位で計算方法です。
3年間在籍しで74単位を取得することが卒業の条件なので1年目25単位。
2年目25単位、3年目24単位で卒業することができます。
(3年で卒業できる私立高校の場合)。
例えば公立通信制高校で1年目に25単位を受講した場合、1単位あたりの受講料は336円なので授業料は25単位で8,400円が必要です。
対して私立の通信制高校は1単位当たり高い学校だと10,000円以上かかります。
同様に25単位を取得しようと思うと授業料で250,000円が必要です。
私立の通信制高校は通学コースで学費が異なる
さらに私立の通信制高校では通学のコース設定がされている学校があります。
高校卒業資格の取得だけでなく通信制高校から就職で有利な資格を通学して身につけることができる学校もあり人気です。
となると、自宅学習の通信制高校より指導を直接受けることができる。
また、週に通う日数によって学費が変わります。
特に芸術やプログラミングなど、専門的な学習は普通科目以上に先生が特殊なので費用が高くなります。
おすすめは学費が高くても私立の通信制高校
学習支援をしっかりしてもらえる
通信制高校を考える場合、学習不安で入学を考えている、不登校になってしまい転入を検討している、なんらかの事情で高校を卒業できず編入しようと思っているケースが考えられます。
公立の通信制高校は原則、自学自習で自己責任能力が試されるため、私立の通信制高校のように高校卒業までしっかりとサポートしてくれる学校のほうがおすすめです。
通信制高校の学費は公立と私立ではかなり違いますが、学費だけで選び卒業できなかったら…その学校のを選択した意味がありません。
その点私立の通信制高校では、学習支援が公立よりも手厚い場合が多いです。
レポートのわからないところを直接指導してもらえたり、学ぶ楽しさがわかるようなネット配信もあります。
生徒が途中で挫折しないよう学習の疑問点やつまずきを講師の先生が見つけ、時に相談に乗ってもらえる体制が整っているのは私立の通信制高校のほうが多いです。
高校卒業という目標を考えたとき、より親身にサポートしてもらえるのは私立の通信制高校です。
定期的な通学で同級生と関われる
私立の通信制高校の通学タイプは選択できる学校が多いです。
マンツーマンや少人数クラス指導で、人間関係に不安のある生徒のストレスは軽減されます。
大勢の生徒の授業だと質問ができず学習が遅れてしまいがちな生徒も心配なく安心して高校卒業まで学べるよう配慮されています。
通信制高校のメリットは自学自習という方もいますが、私が思う1番のメリットは、『生徒に無理なく通学が選択でき学校の中で人間関係を再構築できる』ことだと思っています。
毎日行かなくてはいけない全日制高校とは違い、週に数日、もしくは年に数回など学校によって選択ができることで生徒は「行かなくてはいけない」ストレスから解放されます。
「週に数日の授業なら参加できそう」という気持ちで授業に参加し、「参加できた、楽しかった」という体験がまた授業への意欲が湧いてくることで「行かなくてはいけない」から「行きたい」学校になる。
これも通信制高校の魅力の一つです。より通学を選択できるバリエーションが多いのが私立の通信制高校のため、おすすめです。
サポート校は無理なく好きを磨ける
私立の通信制高校には、サポート校がある学校もあります。
サポート校に入ることで学費は高くなりますが、私は不登校経験者や、学校に不安を抱えている生徒にとってとてもよい仕組みだと思っています。
サポート校最大のメリットは、『サポート校の出席は単位に関係がないこと』です。
たとえサポート校の授業に参加できなくてもレポート、スクーリング、試験ができれば単位修得し卒業することが可能です。
生徒の負担を軽減し、レポートのわからないところを指導してもらえる強みを持っています。
さらに高校の指導要領に縛られないカリキュラムを組むことができるので、社会に出て働ける技術や資格を身につけることもできるサポート校もあります。
生徒の通学不安から通う道を供給でき、学校では身につけることのできない特殊な学びを得ることができるサポート校は私立の通信制高校の特徴のためおすすめです。
通信制高校の費用で免除されるもの
高等学校等就学支援金
通信制高校の学費は高等学校等就学支援金の対象になります。
高等学校等就学支援金制度とは公立・私立、全日制高校、定時制高校、通信制高校問わず高校生すべてが対象になる支援金です。
世帯収入目安が年収910万円未満の過程に対し、国から授業料を免除してもらえる制度です。
世帯年収約590万円未満なら授業料無償
まず通信制高校のような単位制の学校の高等学校等就学支援金の制度では、通算で74単位まで、1年間最大で30単位まで免除を受けることができます。
金額は原則、公立高校で1単位あたり336円、私立高校で1単位あたり4,812円を受けることができます。
高等学校等就学支援金制度で支給される就学支援金は学校で支給を受けます。
そのため授業料の総額から免除され不足している分を納入すれば良いです。
2020年4月より、世帯年収が約590万円未満なら、ほぼ私立の通信制高校の授業料は実質無償化となりました。
年収590万円以上で、授業料が支援金の上限を上回る場合、授業料と支援金の差額分を自己負担する形となっています。
高等学校就学支援金は通信制高校にとって救世主となり制度導入以降入学者は増えました。
それほどありがたい免除となります!
奨学金や返還義務のない給付制度もある
通信制高校は他の全日制高校と同じく高等学校就学支援金以外に条
- 高校生等奨学給付金
- 育英資金貸付事業
- 母子父子寡婦福祉資金貸付金
- 生活福祉資金貸付制度
- 受験生チャレンジ支援貸付
- あしなが育英会奨学金制度
- 阿部育英基金
- 都道府県にある奨学金制度
それぞれの奨学制度では都道府県が運営し規定などは各自治体によ
給付金制度によっては保護者が住民票を置いている自治体での受給になる場合や、生活保護世帯や年収250万円未満の世帯が対象とされる制度もあります。
もちろん募集には期限があり募集期間中に必要書類の提出がないと受けることができないケースもあります。
なかには所得の少ない世帯や障害者・介護を要する高齢者のいる世帯に対し無利子または低利子で貸付を行っているものもあります。
また、審査のある奨学制度もある為、詳しくはそれぞれのサイトを確認し、直接問い合わせましょう。
高校生等奨学給付金外部サイト:文部科学省 高校生等への修学支援
母子父子寡婦福祉資金貸付金外部サイト:(一財)全国母子寡婦福祉団体協議会
生活福祉資金貸付制度外部サイト:厚生労働省生活福祉資金貸付制度
受験生チャレンジ支援貸付外部サイト:東京都福祉局受験生チャレンジ支援貸付事業
あしなが育英会奨学金制度外部サイト:あしなが育英会奨学金について
交通遺児育英会奨学金外部サイト:公益財団法人 交通遺児育英会
阿部育英基金:外部サイト公益財団法人阿部育英会
通信制高校の学費を安くする方法
と思われた方は、裏技的な話ですが学費を安くする方法があります。
74単位きっちり履修で学費は安くなる
結論をいうと、卒業年次で74単位数の履修登録ができるよう学校にお願いすれば、学費は安くなります。
前述したとおり、通信制高校の授業料で最も高いのはは1単位6,000円~の単位取得料です。
高いところで1単位12,000円の通信制高校もあります。
高いと思うかもしれませんが、就学支援金で免除される金額が多いので実質高く感じることはありません、2年次までは。
ポイントとなるのが3年目(転入の場合は卒業年次)です。
多くの学校は74単位という単位修得で高卒できるのですが、多少単位を落としても卒業できるよう多めに単位を組みます。
しかし、高等学校就学支援金は74単位までしか免除されません。
つまり、3年間で90単位履修する学校があるとしたら、16単位は支援金が免除されなく学費が上がります。
そこを3年間で74単位ぴったりになるように組んでもらうことで学費を安くすることが可能です。
ただし、高卒に必ず必要な必修科目を修得していることや学校のルールなどもあります。
資料請求したのち、その学校の単位取得料を知った上で詳しくは学校にご相談下さい。
学費が安い私立の通信制高校を選ぶ
- 鹿島学園高等学校
- N高等学校
- ルネサンス高等学校
私が全国の私立の通信制高校のパンフレットを取り寄せまり、学費が安いと感じた通信制高校は上記の学校たちです。
これらの学校の特徴は、特に自宅学習生が多いため、学費が他校より安いという特徴があります。
ただし、N高やルネ高でも専門コースや、やりたいことを追加することになると学費は上がっていきます。
自分が本当に叶えたい目標を決めたうえで、学校選択することをおすすめします。
ID学園高等学校は創設130年の学校法人郁文館夢学園が新設した通信制高校。
1単位あたり6,900円と他校よりも金額も安く、オンライン対応にも積極的に行っています。
一定の条件で、通信制から全日制の郁文館高等学校へ転学できるのは同校の強みです。
学費を少なく高卒資格という目標に向かう上で、おすすめの通信制高校です。
\公式サイトで学費をチェックしてみる/
学費は資料請求で比較するのが一番
ここまで通信制高校にかかる費用についてお伝えしましたが、学費については学校で違うこともあり学費を知るには資料請求するのが一番です。
私が複数の通信制高校の資料請求をおすすめする理由は、いくつかの通信制高校を比較検討するべきだからです。
住宅や車など高い買い物をする際に数社回って見積もりをもらうように、学校であっても高価な出費です。
1つの学校で決めてしまうのではなく、学費においてもこの学校を選択して正しいのかを検討しましょう。
学費で通信制高校を選ぶならチェック1つで一括資料請求ができるズバット通信制高校比較
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まとめ
通信制高校の学費が高い?について解説してきました。
通信制高校の学費は安ければダメなわけでも、高ければ手厚い訳でもありません。
学校の強みを理解することで生徒が自発的に通いたい気持ちになり、保護者が安心して通わせることができる学校になるはずです。
また、学費って安くできないと思われていますが、給付タイプの奨学制度や、ちょっとした方法で無駄な支出は減らすこともできます。
ただ、その情報はあなたのご家庭の状況により受けることができるかわからないため、学校の入学担当者がすべてを熟知することが困難ということもあります。
残念ながら自分のことは自分で調べるしかありません。
ただし、このページにはあなたのご家庭の負担を少なくできるヒントがたくさんあります。
ぜひ、この記事を参考にして頂き、笑顔で卒業できる通信制高校へぜひ進んでもらいたいです。