そんな通信制高校の偏差値について、悩んでいませんか。
結論を言うと通信制高校には偏差値がなく、第一希望の大学へ進学している生徒は意外と多くいます。
なぜ通信から志望校へ進めるかというと、進学を優位にできる通信制高校ならではのメリットがあるからです。
私は元通信制高校のキャンパス長として、入学だけでなく卒業後の進路にも携わってきました。
この記事では通信制高校の特徴を熟知した私が、通信制高校の偏差値や進路についてお伝えします。
通信制高校は偏差値がない
これまで多くの生徒や保護者から、通信制高校に入学するには偏差値あるのか質問をされました。
そもそも、通信制高校には偏差値という概念がありません。
偏差値がない理由
ほとんどの通信制高校では、募集要項にこのような記載がしてあります。
- 全日制高校と違い中学校またはこれに準ずる学校を卒業した人
- 中学校と同等以上の学力を有しているもの
この要件を満たしていると入学可能な学校が多いため、偏差値がないと言われています。
なぜ通信制高校に偏差値がないのかというと、測れないからです。
通信制高校の入学希望者は人間関係や学校への不信感で、不登校が多いです。
当然通学できないため、テストも行うことができず内申点が付きづらい。
そのため、偏差値を測るものさしが作れません。
そういった理由で多くの通信制高校は学力試験ではなく、面接や作文で合否判定しています。
「入学を希望するすべての生徒に公平性のあるチャンスを与える」
という考えのもと、偏差値にとらわれず入学へのハードルは低く設定しています。
誰でも入れるのか
偏差値がないなら通信制高校に落ちないの?
と質問も受けたことがありますが、偏差値のない通信制高校でも不合格になります。
なぜ不合格にってしまうことがあるのか、その理由は主に次の3点です。
- 入試時期・定員オーバー
- 素行が悪い
- 学校の規則が守れない
どうしても偏差値がない学校=人気がない、誰でも入れるというイメージをもってしまいがちです。
しかし、通信制高校は偏差値がないものの人気校もあります。
また、素行不良やルールが守れないと入学はできても卒業ができません。
卒業率を気にしている通信制高校は不合格対象としている学校もあります。
通信制高校から大学へ行ける理由
偏差値がない通信制高校だと進学が不安な人もいますが、通信制高校から大学へ行くことは可能です。
まず通信制高校は、全日制高校同様に一条校です。
そのため、高校卒業資格は同じなため大学受験が不利になりません。
大学に合格できるかは高卒資格+センター試験や入試をクリアできればOK。
なので、進学校も通信制高校も一緒の条件で大学へ行くことが可能です。
私が勤めていた学校でも、関東の有名校や東海地方でNo.1私立大学に合格した生徒もいました。
ただ注意のは、通信制高校は進学校並みの大学進学率か?という点です。
残念ながら、それは進学校のほうが進学率は高いです。
理由は進学を目標にする学校と比較し、通信は高卒資格を取ることを目標にしている生徒がいるからです。
全日制の進学校と通信制高校では、入学する目的が違うというのが現状です。
通信制高校から高偏差値の大学へ行くには
では、通信制高校から難関大学へ行くにはどうしたらいいか。
私が以前、別の通信制高校の先生と話をした際、気づいたことを解説します。
指定校推薦入試やAO入試を狙う
大学を受験する方法は一般入試だけでなく、指定校推薦やAO入試といった受験方法もあります。
指定校推薦入試の場合、学校の成績表が基準になります。
通信制高校ではレポートや単位認定試験で好成績が取れれば、受験を優位に進めることができます。
また、AO入試は面接と小論文が一般的です。
受験者の個性をアピールすることが加点となるため、通信制高校生は学業以外の活動も伝えやすいです。
センター試験や一般入試以外に、指定校推薦やAO入試でも受験できるチャンスが多いほど受験は有利です。
進学コースがある学校を探す
通信制高校では学習サポートに力を入れ、難関大学への進学コースがある高校もあります。
特に私が進学に強いイメージを持っている学校は、次の3校です。
クラーク記念国際高等学校:ネイティブ教員がいるので英語学習に強く国際色豊かな進学を目指せる
トライ式高等学校:予備校・家庭教師といった受験のプロからの個別指導で志望校を目指せる
ID学園高等学校:通信制の時間的自由度の高さと全日制の豊富な学びのプログラムを両立できる
志望校を目指すことができる通信制高校を選ぶことで、進学校よりも手厚いサポートを受けることも可能です。
進学実績を確認する
通信制高校の今の課題は圧倒的に進路です。
なので、パンフレットなどでは進学率や進学先を情報公開している学校もあります。
大学進学をしたい場合、先輩たちが進んでいる学校を見ることは非常に大切です。
自分が希望する大学へ、この通信制高校からどの位の卒業生が進学しているのか。
どの割合で大学へ進学していくのか。
気になる進学についての情報は、資料や学校説明会で必ず確認しましょう。
大学へ行くなら進学コースがおすすめ
通信制高校から高偏差値の大学へ行きたいという希望があれば、進学コースのある通信制高校がおすすめです。
進学コースが良い理由は以下の3点です。
- 学習フォロー
- 進学を目標にしている仲間
- 学習時間
通信制高校は不登校経験者も入学してくるので、多くの学校は中学からの学び直しの授業やレポートが中心です。
学習のレベルが基礎的なコースに対し、進学コースは受験勉強を優位に進めれる専門的なカリキュラムで学ぶことができます。
進学校以上に少人数制であることが多いため、学習のフォローもしっかしてくれる点も通信制高校進学コースの魅力です。
また、志望する大学へ行きたい!という同じ目標を持った生徒がいるのも心強いです。
通信制高校だと、不良やヤンキーが多そうというイメージもあるかもしれません。
素行が悪く高卒が欲しいという目標の生徒は進学コースを選びません。
なので、進学コースは落ち着いている生徒も多く、通信制高校の中でも勉強に集中できる環境があります。
最後に、通信制高校は自宅やWEB学習と学習のスタイルを選択できるため、圧倒的に時間を優位に利用できます。
通学する時間や休み時間も関係なく、勉強に没頭できる時間を作れるのは予備校生と通信制高校生だけです。
自己管理は問われますが、やる気次第で学力の飛躍的なアップも目指せます。
偏差値は公開模試で知ることができる
自分の今の学力がどのくらいか偏差値を知りたい場合、公開模試を受ければ把握することができます。
通信制高校に偏差値がないため、自分のレベルを知りたい場合は、公開模試を受けましょう。
公開模試とは、次の予備校などが開催している模擬試験です。
全国の高校生が受けるため、自分の偏差値を把握することができます。
大学受験において、偏差値は大切な判断基準のひとつとなります。
そのための予備校公開模試ですが、あまりプレッシャーを感じすぎてしまうのも禁物です。
偏差値はあくまでも目安の一つです。
なので、あまり気にせず自分のペースで学習を重ね受験へ望みましょう。
まとめ
当記事をまとめると、通信制高校には偏差値はありませんが難関大学へ進学の進学も可能です。
特に進学コースのある通信制高校であれば、同じ目標の環境下で勉強することができます。
自分のペースで学習し不得意な科目を克服したり、得意科目を伸ばしながら志望校への学習ができます。
一つだけ注意したいのは、全ての通信制高校の進学コースが大学進学を目指すための専門コースではないという点です。
特に専門的なコース設定をしている学校…。
こういった学校は、普通科目を学ぶだけのコースにも特徴的なコース名として進学コースとしている学校もあります。
自分の目標が叶えられる進学コースを見つけるためには、資料請求と学校説明会の参加は必須です。
資料請求すれば、パンフレットで進学実績を確認することができるからです。
ただし、広域通信制高校の場合だと全キャンパスの進路実績が載っている為、自分が通う予定の学校の進路とは限りません。
そのキャンパスからの近々の進路実績は、学校説明会で教えてもらうことができます。
どんな学校を選んだらよいかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ合わせてご覧ください。